お腹の張り、くり返す腹痛、便通の乱れ。検査では大きな異常が見つからないのに、こうした不快な症状が続く。過敏性腸症候群(IBS)と呼ばれる状態に、心当たりのある方は少なくないと思います。
対策としてよく耳にするのが「食物繊維をとりましょう」という言葉ですが、実際に試してみると「かえって張った」「あまり変わらなかった」という声も聞かれます。
食物繊維は本当にお腹の不調に届くのか、届くとすればどんな繊維なのか。ここがずっと、はっきりしないままでした。
2026年、消化器分野の学術誌Gastroenterologyに、この問いに正面から答えるシステマティックレビューとメタ分析が報告されました。過敏性腸症候群の大人を対象に、食物繊維のサプリメントが症状をどれだけ改善するかを、ランダム化比較試験のデータから繊維の種類ごとに検証した研究です。
今回はこの報告を、できるだけ原文に沿って読み解きます。
記事の要点
過敏性腸症候群の大人1,904人分のデータをまとめた解析で、食物繊維をとった人は症状が改善した割合が52%と、対照群の44%を上回り、統計的にも意味のある差だったと報告されました。
繊維の種類別に見ると、水に溶けてとろみを生むサイリウム(オオバコ由来)の効果がとくにはっきりしており、改善が得られやすい繊維として際立っていました。
一方で小麦ふすまのような繊維では差が出にくく、「食物繊維をとる」よりも「どの繊維を選ぶか」が、お腹の不調をやわらげる手がかりになると整理されました。