指を切ったり足首をひねったりしたとき、赤くなったり腫れたりするのは、体が正常に働いている証拠です。
急性の炎症は、傷ついた部分に免疫細胞を送り込み、老廃物を除去して修復の土台を作る、体にとって不可欠なプロセスです。
しかし、この炎症がいつまでも収まらないとき、体の中では何が起きているのでしょうか。
日本でも生活習慣病や自己免疫疾患が増加するなか、慢性炎症というキーワードを耳にする機会が増えています。
肥満、糖尿病、心臓病、がん、さらにはアルツハイマー病まで、多くの深刻な疾患の根底に慢性炎症が関わっていることが明らかになってきました。
今回ご紹介するのは、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究チームが発表した最新の研究です。
慢性炎症が免疫細胞にどのような変化をもたらし、本来の治癒プロセスをどう妨げるのか、そしてその機能不全は回復可能なのか。詳しく見ていきましょう。
記事の要点
- 慢性炎症はマクロファージを攻撃モードと修復モードの中間状態に固定してしまい、組織の修復が正常に進まなくなる。
- この機能不全は永久的なものではなく、炎症シグナルを減少させることでマクロファージは修復能力を取り戻せることが示された。
- 過剰なリノール酸、エンドトキシン、化学物質への曝露、慢性ストレス、睡眠不足、運動不足が慢性炎症の主な引き金となっている。