私たちの体には「体内時計」と呼ばれるしくみがあり、約24時間のリズムで睡眠や覚醒、ホルモンの分泌、血圧の変動などをコントロールしています。
このリズムは、概日リズム(サーカディアンリズム)とも呼ばれ、健康を維持するうえで欠かせない役割を果たしています。
しかし、夜勤やシフトワーク、深夜のスマートフォン使用、不規則な食事時間といった現代の生活スタイルは、この体内時計を乱しやすい環境をつくっています。
体内時計の乱れは、社会的時差ボケとも呼ばれ、睡眠障害やうつ病、糖尿病、がんなど、さまざまな病気との関連が指摘されています。
日本でも長時間労働や交代勤務に従事する方は多く、体内時計の調整は大きな健康課題のひとつです。
そうしたなか、鳥取大学の研究グループが、日本に自生する食用キノコ「ツチナメコ」から、体内時計のリズムを前に進める作用をもつ新しい化合物を発見しました。
この成果は、学術誌『Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry』に掲載されています。
記事の要点
- 鳥取大学の研究グループが、食用キノコ「ツチナメコ」の培養液から、体内時計のリズムを前進させる新規化合物「シクロサイベライド(cyclocybelide)」を発見した。
- シクロサイベライドは、投与するタイミングにかかわらず体内時計を前進させるという、他の天然化合物にはあまり見られない特徴をもっていた。
- フタリド骨格にヒドロキシ基やメトキシ基をもつ関連化合物にも同様の活性が確認され、時差ボケなど概日リズム障害への応用が期待される。