最新|亜鉛と銅のバランスとCOVID-19:重症化と死亡を予測する血清亜鉛/銅比

最新|亜鉛と銅のバランスとCOVID-19:重症化と死亡を予測する血清亜鉛/銅比

亜鉛は、免疫や味覚に関わるミネラルとして、これまでも感染症の話題でたびたび登場してきました。COVID-19についても、血液中の亜鉛が低い人ほど経過が重くなりやすいという報告が積み重なっています。

ところが、2026年に受理されたある研究は、亜鉛そのものよりも「亜鉛と銅のバランス」に注目しました。

亜鉛(Zn)の値を銅(Cu)の値で割った亜鉛/銅比という一つの指標です。

イランの病院でCOVID-19の患者226人と、年齢や性別をそろえた健康な人226人を比べたところ、患者では亜鉛が低く銅が高く、その結果として亜鉛/銅比が大きく下がっていました。

健康な人の平均が1.05だったのに対し、患者では0.37。さらに、この比が低い人ほど重症化や死亡のリスクが高いという関係が示されたのです。

亜鉛だけ、あるいは銅だけを見るのではなく、その釣り合いを一つの数字でとらえる。今回はこの亜鉛/銅比という考え方を、研究の中身に沿って見ていきます。

◼️記事の要点

  • イランの研究で、COVID-19患者は健康な人に比べて血清亜鉛が低く銅が高く、亜鉛/銅比が大きく低下していたと報告されました。健康群の平均1.05に対し、患者では0.37でした。

  • 亜鉛/銅比の低下は、年齢や合併症などの条件を調整しても、重症化(p=0.008)と死亡(p=0.02)に関連する独立した予測因子だったとされています。

  • 低い亜鉛は単なる栄養不足だけでなく、炎症によって亜鉛が組織へ移動する「再分布」を映している可能性があり、CRPなどの炎症マーカーと併せた解釈が提案されています。