心血管疾患は、世界の死因の第1位であり続けています。
これまで、ビタミンB群を補うとホモシステインが下がり、心血管リスクも下がるはずという見方が広く語られてきましたが、大規模な臨床試験では期待されたほどの効果が見えないケースも報告されてきました。
そんな中、2026年5月にNutrition & Metabolism誌で公開されたナラティブレビュー「B vitamins and cardiovascular health」は、機序・観察研究・RCTを横断的に整理し、なぜ機序的には強力なのに、試験結果はまちまちなのかを、精密栄養の視点でひもときました。
今日はこの論文をベースに、ビタミンB群と心血管の最新の読み解き方を一緒に整理していきます。
記事の要点
- ビタミンB群はホモシステイン代謝、内皮機能、ミトコンドリアでのエネルギー産生など、血管の健康を支える複数の経路に深く関わっています。
- 観察研究ではB群の低値と心血管疾患リスクの上昇が一貫して関連する一方、サプリ介入の大規模試験では効果が控えめなことが多く、その差はベースラインの栄養状態や葉酸強化政策の有無で大きく説明できます。
- 血中濃度よりMMA・ホロトランスコバラミンといった機能的指標や、MTHFRなどの遺伝子多型を考慮した個別アプローチが、これからのビタミンB群活用の鍵になりそうです。