最新|腸の不調が歯の治療を妨げる:東北大が解明した腸と顎骨の意外な関係

最新|腸の不調が歯の治療を妨げる:東北大が解明した腸と顎骨の意外な関係

歯の治療がなかなか終わらない、何度通ってもよくならない。そんな経験をお持ちの方は少なくないかもしれません。

歯科医院で「体調が悪いと歯の病気も治りにくい」と言われることがありますが、その仕組みについてはまだ解明されていない部分が多く残っていました。

腸は食べものを消化・吸収するだけの臓器ではなく、実は人体最大の免疫組織でもあります。

全身の免疫バランスを調整する司令塔のような役割を担っていて、この腸の免疫が崩れると、腸だけでなく体のさまざまな場所に影響が及ぶことが知られています。

日本でも炎症性腸疾患(IBD)の患者数は年々増加しています。潰瘍性大腸炎やクローン病といったIBDは、皮膚や関節、目などに腸以外の症状が現れることが以前から報告されていましたが、今回、そのリストに「歯と顎骨」が加わる可能性を示す研究が発表されました。

東北大学大学院歯学研究科の研究グループが、腸炎を持つマウスにおいて、歯の根っこの炎症による顎骨破壊が著しく悪化することを実証し、さらに新しい治療法まで提案したのです。

記事の要点

  • 腸炎を持つマウスでは、根尖性歯周炎による顎骨破壊の体積が約3倍に増加した。
  • 腸炎によって免疫細胞の好中球が異常に活性化し、顎骨の破壊を悪化させていた。
  • キャビテーション技術を使って抗炎症薬を顎骨に直接届ける新しい治療法が開発された。