夏の食卓に、きゅうりのぬか漬けが一皿。冷たくて塩気があって、白いごはんによく合います。祖母の家の台所にぬか床があった、という記憶をお持ちの方もいるかもしれません。
このぬか漬け、味や保存のための知恵だと思われがちですが、栄養の面から見ると、もう少し踏み込んだことが起きています。
日本食品標準成分表で、生のきゅうりとぬかみそ漬けのきゅうりを並べてみると、ビタミンB1が100gあたり0.03mgから0.26mgへ、およそ9倍に増えています。カリウムも200mgから610mgへ、約3倍です。
同じきゅうりのはずなのに、数字が変わる。米ぬかに漬けて置いておくというだけの工程で、野菜が別の顔をもつようになります。しかもビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるときに欠かせない栄養素で、そうめんや冷やし中華に手が伸びる夏こそ必要になるものです。
ぬか漬けという昔からの保存食を、栄養の視点から見ていきます。
記事の要点
日本食品標準成分表では、きゅうりのビタミンB1が生の100gあたり0.03mgに対し、ぬかみそ漬けでは0.26mgと約9倍になり、カリウムも200mgから610mgへ約3倍に増えます。
米ぬかにはビタミンB1が豊富に含まれており、ぬか床に漬けた野菜がその栄養素を吸収することで、漬ける前とは成分の構成が変わります。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える補酵素で、麺類やごはんにかたよりやすい夏の食事では必要量が増えるため、ぬか漬けは季節に合った供給源になります。