糖尿病は、いまや世界中で増え続けている深刻な健康課題です。国際糖尿病連合の推計では、世界の糖尿病患者は5億人を超え、その数は今後も増加が見込まれています。
糖尿病そのものだけでなく、その一歩手前の状態である前糖尿病(糖尿病予備軍)にいる人も非常に多く、適切な対策をとらなければ2型糖尿病へ進行するリスクが高いとされています。
日本でも糖尿病は大きな問題です。厚生労働省の調査によれば、糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性を否定できない人を合わせると、約2,000万人にのぼるとされています。
食生活の欧米化や運動不足、高齢化の進展にともない、予備軍を含めた糖尿病リスクを抱える人は今後さらに増えていく可能性があります。
そうした中、日々の食事からのアプローチが注目されています。スウェーデン・ヨーテボリ大学の研究チームは、ブロッコリースプラウトに豊富に含まれる化合物「スルフォラファン」が、糖尿病予備軍の血糖値を改善する可能性があることを臨床試験で明らかにしました。
この研究は2025年2月、Nature Microbiology誌に掲載されています。
記事の要点
- 前糖尿病と診断された74名を対象とした12週間のランダム化比較試験で、ブロッコリースプラウトエキスを摂取したグループは空腹時血糖値が有意に改善した。
- スルフォラファンの効果は腸内細菌叢によって個人差があり、特にBT2160という遺伝子を多く持つ人で血糖値低下が顕著だった。
- スルフォラファンは肝臓での糖新生(ブドウ糖の過剰な生成)を抑制することで血糖値を下げると考えられている。