焼き網の上で、なすの紫の皮がつやつやと光り、香ばしい匂いが立ちのぼる。夏の食卓に、なすはよく似合います。今がちょうど最盛期で、店先には色つやのよいなすが並びます。
淡白で、どんな料理にもなじむなすは、脇役のように扱われることもありますが、その紫の皮や、みずみずしい実には、暑い季節にうれしいはたらきが詰まっています。
とりわけ皮の紫色には、なすならではの成分が隠れています。昔から「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざが語り継がれ、お盆には精霊馬としても使われてきた、日本の夏に欠かせない野菜。
今回は、この夏なすを皮ごと味わいたくなる理由を、栄養の面からたどってみます。
記事の要点
なすは水分が多く、100グラムあたり約18キロカロリーと低カロリーで、余分なナトリウム(塩分)の排出を助けるカリウムを220ミリグラム含みます。汗をかき、むくみやすい夏の体にうれしい野菜です。
紫色の皮には、ナスニンと呼ばれるアントシアニン系の色素が含まれます。ナスニンはポリフェノールの一種で、抗酸化のはたらきを持つ成分として知られています。この成分は主に皮の部分にあるため、皮ごと食べることで取り入れやすくなります。
焼きなす、揚げ浸し、味噌炒めなど、なすは皮ごと楽しめる料理が豊富です。皮をむかずに調理することで、紫の色素と彩りを、そのまま一皿に生かせます。