同じ年齢でも、若々しく見える人と、そうでない人がいます。近年、この見た目ではなく体の内側の老化の進み方を、血液のなかのDNAから測る方法が研究されています。エピジェネティック時計、いわゆる老化時計です。
暦の年齢とは別に、体がどれくらいのペースで年を取っているかを推定する。そんな時計が、日々の栄養で少し変わるのだろうか。2026年、大規模試験COSMOSの新しい解析が、この問いに一つの答えを示しました。
毎日のマルチビタミンを2年間続けた人は、飲んでいなかった人と比べて、老化時計の進み方がわずかにゆっくりだった。とくに、将来の死亡リスクを予測する時計で、統計的にはっきりした差が見られた、という報告です。
記事の要点
2026年3月にNature Medicineで報告されたCOSMOS試験の事前計画された付随解析では、958人を対象に、毎日のマルチビタミン・ミネラルとココア抽出物が、DNAメチル化にもとづく5種類の「老化時計」に与える影響が調べられました。
2年間の追跡で、マルチビタミン群はプラセボ群と比べ、老化時計の進み方がゆっくりでした。第二世代とよばれる時計では、1年あたりの変化の差がマイナス0.113歳と報告されています。5つの時計すべてで同じ向きの結果が見られ、死亡を予測する2つの時計では統計的に有意でした。
一方でココア抽出物には、この効果は見られませんでした。効果の大きさは控えめで、実際の健康にどうつながるかは今後の課題とされています。