最新|ミトコンドリアが生むMOTS-c:老齢マウスの走行時間を2倍にした

最新|ミトコンドリアが生むMOTS-c:老齢マウスの走行時間を2倍にした

年齢を重ねても、自分の足で歩き、階段を上り、疲れから戻れる体でいたい。その願いに応える研究は、筋肉や血糖だけでなく、細胞の中にある小さなミトコンドリアへ向かっています。

2026年8月3日、Thailand Wellness Newsは、健康的な老化を支える新しい候補としてMOTS-cというペプチドを取り上げました。

わずか16個のアミノ酸からできたMOTS-cは、ミトコンドリアのDNAに書き込まれた情報から生まれます。しかも、エネルギーをつくる場所にとどまらず、必要に応じて細胞核へ移動し、ストレスへの適応を伝えるメッセンジャーとして働きます。

人では運動後に筋肉内のMOTS-cが11.9倍へ増え、老齢マウスへ投与した実験では走行時間が2倍、走行距離が2.16倍になりました。ミトコンドリアがエネルギー工場であると同時に、体を動かし続けるための信号を発する存在であることが見えてきました。

記事の要点

  • MOTS-cはミトコンドリアDNAの12S rRNA領域にコードされた16アミノ酸のペプチドで、代謝ストレス時に核へ移動して細胞の適応反応を支えます。

  • 健康な若年男性10人では、運動後の筋肉内MOTS-cが11.9倍、血中は運動中1.6倍へ増え、運動に反応する内因性シグナルであることが示されました。

  • 22か月齢のマウスでは、2週間のMOTS-c投与後に走行時間が2倍、距離が2.16倍となり、晩年からの投与でも握力や歩行能力が高まりました。