甲状腺は、首の前面に位置する蝶のような形をした小さな臓器ですが、全身の代謝をコントロールする司令塔のような役割を担っています。
甲状腺が作り出すホルモンは、エネルギーの産生、体温の調節、心拍数、体重、さらには気分にまで影響を及ぼします。
甲状腺の機能が過剰になると甲状腺機能亢進症、不足すると甲状腺機能低下症と呼ばれ、いずれも深い疲労感や体重変動、気分の不安定といった症状を引き起こします。
日本では甲状腺疾患の患者数は少なくなく、特に女性に多いとされています。甲状腺機能低下症の標準的な治療法は、レボチロキシンの服用ですが、一方で、そもそも甲状腺ホルモンの生合成に必要な栄養素が十分に摂れていないケースも見過ごされがちです。
今回の記事では、甲状腺ホルモンの産生と活性化に関わる4つの主要栄養素、ヨウ素、チロシン、セレン、亜鉛に焦点を当てて、その役割と重要性を掘り下げていきます。
記事の要点
- 甲状腺ホルモンの原料はヨウ素とアミノ酸チロシンであり、この2つが不足すると甲状腺はホルモンを十分に作ることができない。
- 貯蔵型ホルモンT4を活性型ホルモンT3に変換するには、肝臓と腎臓でセレンと亜鉛が不可欠な役割を果たしている。
- ビタミンDは甲状腺の自己免疫機能に関連し、鉄分はホルモン合成の酵素反応に必要であるなど、ミネラル・ビタミンの総合的なサポートが甲状腺の健康を支えている。