新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期を乗り越えても、倦怠感や息切れ、認知機能の低下といった不調が長く続く方がいらっしゃいます。
なぜ、感染が治まったあとも体調が戻りにくいのか。その背景に、細胞レベルでの老化の加速が関わっている可能性を示す研究が、スペインの呼吸器専門誌『Archivos de Bronconeumología』に掲載されました(Mulet ほか、2026年)。
コロナ後遺症の正体に、また一歩近づく報告です。
記事の要点
- 両側性肺炎で入院したCOVID-19患者の白血球テロメアは、年齢・性別をマッチさせた対照群より有意に短く、その差は急性期の重症度には依存していませんでした。
- 12か月後にHRCT(高分解能CT)で評価したところ、約29%に線維性の肺変化が残り、ペリオスチンやIL-6の上昇が2年後のミトコンドリアタンパク質の変化と相関していました。
- ETFβやPKM2といったエネルギー代謝に関わるタンパク質が、線維性後遺症やテロメア短縮を識別するバイオマーカー候補として浮上し、特発性肺線維症(IPF)との共通メカニズムが示唆されています。