最新|運動はうつ病・不安症に対する最も強力な治療法のひとつかもしれない

最新|運動はうつ病・不安症に対する最も強力な治療法のひとつかもしれない

世界規模で広がる心の健康危機

現代社会において、心の健康は喫緊の課題となっている。うつ病や不安症は、すべての国・地域で高い有病率を示しており、あらゆる年齢・所得層の人々に影響を与えている。これらは長期的な障害をもたらす第二の要因であり、世界規模で多大な経済的損失を引き起こしている。

2024年のWHO(世界保健機関)のデータによると、世界人口の8人に1人、すなわち約9億7000万人が何らかの精神疾患を抱えており、うつ病と不安症はその中でも特に広く見られる障害だ。さらに、世界人口の約4.05%、3億100万人以上が不安障害に罹患しており、その数は1990年から2019年の間に55%以上増加している。

こうした中、精神科的治療へのアクセスには依然として大きな格差がある。低所得国では、精神疾患を抱える人々のうちケアを受けられるのは10%未満に過ぎず、高所得国の50%超と大きな開きがある。こうした「治療格差」を埋める手段として、あらためて注目を集めているのが「運動」という、誰もがアクセスできるシンプルな介入法だ。

記事の要点

  • 効果の大きさと普遍性: 約5万8,000人のデータを統合した解析の結果、運動はうつ・不安症状をいずれも有意に改善し、その効果は薬物療法や心理療法と同等か、それ以上だった。特に若年成人と産後の女性で顕著な改善が確認されている。
  • 最も効果的な形式: うつ病には、グループや監督者のいる環境での有酸素運動が最も効果的。不安症には、8週間以内の短期・低強度プログラムが有効。ヨガや筋力トレーニングも精神的健康の改善に寄与した。
  • 第一選択肢としての可能性: コストが低く、身体的メリットも大きい運動は、従来の精神科的治療へのアクセスが難しい環境において、特に有力な「第一選択肢」となり得る。