風邪やインフルエンザなら数日で抜けていく疲れが、新型コロナのあとには何週間も、ときには何か月も居座り続ける。朝起きても体が鉛のように重い、少し動いただけでどっと消耗する。検査では大きな異常が見つからないのに、この疲労感だけが残る。そんな状態に心当たりのある方は少なくないと思います。
新型コロナ後遺症(long COVID)で最もよく報告される症状のひとつが、この持続する疲労です。原因はまだ完全には解き明かされていませんが、近年、腸内細菌のバランスの乱れと、免疫の過剰なざわつきが症状の長引きに関わっているのではないか、という見方が注目されてきました。
2026年、英国生物医学会の学術誌 British Journal of Biomedical Science に、その腸内環境に働きかける方法を試したランダム化比較試験が報告されました。コロナ後遺症で強い疲労のある人に、特定の乳酸菌ミックスを4週間続けてもらい、疲労がどう変わるかを調べたものです。
記事の要点
コロナ後遺症で疲労のある48人を対象にしたランダム化比較試験で、特定の乳酸菌ミックスを飲んだ人は疲労スコアが約24%改善し、対照群の約6%を大きく上回ったと報告されました。
改善がみられた反応者の割合も68%対36%と差がつき、この効果は飲むのをやめた後も続いていたとされています。
腸内ではビフィズス菌や乳酸菌など、健康と結びつく菌が増えており、腸内環境と免疫のざわつきに同時に働きかける道すじが見えてきました。