最新|ビタミンDと腸内細菌:IBDで見えた免疫寛容への新しい接点

最新|ビタミンDと腸内細菌:IBDで見えた免疫寛容への新しい接点

ビタミンDというと、骨を丈夫にする栄養素、あるいは免疫を支える栄養素として知られています。冬に不足しやすい、日光を浴びると体内で作られる。そのあたりまでは、なんとなく耳にしたことがある方も多いかもしれません。

ただ、ここ数年の研究は、ビタミンDをもう少し違う角度から見はじめています。

私たちの腸の中には膨大な数の細菌がすみついていて、免疫はその細菌を「攻撃すべき相手」と見ることもあれば、「ともに暮らす相手」として受け入れることもあります。この見分け方、いわば腸と細菌の折り合いのつけ方に、ビタミンDが関わっているのではないか、という見方です。

2026年6月、海外の健康情報サイトGrassrootsHealthが、炎症性腸疾患(IBD)の患者さんを対象にした新しい研究を紹介しました。

低かったビタミンDを12週間かけて補ったあと、腸内細菌に対する免疫の向き合い方がどう変わったかを、複数の角度から細かく観察した内容です。今回はその研究を軸に、ビタミンDと腸内細菌、そして免疫の関係を読み解いていきます。

◼️記事の要点

  • 低ビタミンD状態のIBD患者48人に12週間ビタミンDを補ったところ、血中25(OH)Dの上昇とともに、疾患活動性や腸の炎症マーカーの低下が報告されました。

  • 腸内細菌のうち、共存と関わるIgAで覆われた菌が増え、炎症と関わりやすいIgGで覆われた菌が減るという、免疫の向き合い方の変化が観察されました。

  • BAFFや制御性のB細胞・T細胞といった、免疫を寛容へ傾けるしくみが一緒に動いており、ビタミンDは欠乏と腸内環境という文脈で意味を持つと考えられます。