最新|マグネシウム不足が認知症リスクを高める?:日本人中高年男性を対象とした8年間コホート研究が示す新たなエビデンス

最新|マグネシウム不足が認知症リスクを高める?:日本人中高年男性を対象とした8年間コホート研究が示す新たなエビデンス

日本は今、かつてない「認知症大国」への道を歩んでいる。2019年時点で国内の認知症患者数はすでに約410万人に達しており、2050年には520万人を超えると推計されている。団塊世代が75歳以上となった現在、認知症は本人・家族・介護者の生活の質を著しく損なうだけでなく、医療・介護費の増大という社会全体への重荷にもなっている。

根本的な治療法がいまだ確立されていない以上、予防こそが最重要課題だ。そうしたなか、日々の食事から摂取できる「マグネシウム」という必須ミネラルが、認知症リスクに影響する可能性を示す研究が注目を集めている。コンビニ食や外食が中心の現代の食生活では、マグネシウムは不足しがちなミネラルのひとつでもある。

◼️ 論文タイトル
食事性マグネシウム摂取量と地域在住の40〜74歳における認知症リスク:8年間コホート研究

記事の要点

  • 食事からのマグネシウム摂取量が最も少ない四分位群(Q1)の男性は、最も多い群(Q4)と比較して認知症発症リスクが1.73倍と有意に高かった。
  • この関連は女性では認められず、男性に限定された知見であった。男性のマグネシウム摂取量の中央値(1日約300mg)が女性(同317mg)より低く、体格差を考慮するとその差はさらに大きくなると考えられる。
  • 疾患歴(脳卒中・心筋梗塞・糖尿病・高血圧)の有無で層別化したサブグループ解析では、最低摂取群のハザード比は減衰し統計的有意性が失われたことから、この関連は既往疾患による交絡の影響を部分的に受けている可能性がある。