最新|ラクトフェリンと2型糖尿病:多方向から働きかける栄養素としての可能性

最新|ラクトフェリンと2型糖尿病:多方向から働きかける栄養素としての可能性

母乳や涙、唾液に含まれるタンパク質と聞くと、赤ちゃんの感染防御のための成分、というイメージを持つ方が多いかもしれません。実際、ラクトフェリンは長らく免疫や腸の健康を支える成分として知られてきました。

ところが2026年7月、トルコの研究者らがFrontiers in Nutrition誌に発表した論文では、ラクトフェリンが2型糖尿病の管理においても複数の経路に同時に働きかける可能性のある成分として取り上げられています。

炎症、腸のバリア機能、糖や脂質の代謝シグナル。ひとつの成分がこれだけ多方向に関わりうるという捉え方は、栄養素の働き方について新しい見方を与えてくれます。

この論文が描く、ラクトフェリンと2型糖尿病をめぐる仕組みを紹介します。

◼️記事の要点

  • ラクトフェリンは、2型糖尿病と深く関わる炎症・腸バリア・代謝シグナルという複数の経路に同時に働きかける可能性がある成分として論文で取り上げられています。

  • 鉄結合能を通じた炎症反応の抑制、腸の細胞同士のつなぎ目を保つ働き、AMPKなど糖・脂質代謝に関わる経路への関与が主な仕組みとして紹介されています。

  • 多くの根拠は培養細胞や動物モデルの研究に基づくもので、著者らはヒトでの直接的な検証を今後の課題として挙げています。