鉄の95%前後は再利用される:手放さない体で、不足が起こる理由

鉄の95%前後は再利用される:手放さない体で、不足が起こる理由

体の中にある鉄は、95%前後が体内でリサイクルされているとも言われます。便や汗などで日々失われる量はごくわずかで、役目を終えた赤血球から回収された鉄が、繰り返し再利用されています。一日に必要な鉄の大半はこの体内での再利用でまかなわれ、食事から新しく補うべき量は1〜2mgほどとされています。

それにもかかわらず、鉄不足や貧血は、健康診断でたびたび指摘される項目の一つです。疲れやすさ、立ちくらみ、冷え、髪や爪の変化といった、鉄不足に伴うとされる不調に心当たりがある方も少なくないはずです。ほとんど手放さない仕組みを持つはずの体で、なぜこれほど不足が起こりやすいのでしょうか。

その答えには、複数の要因が関わっています。鉄が体の中でどのように再利用されているかを確認したうえで、不足の背景として挙げられることが多い要因を順番に取り上げます。

記事の要点

  • 鉄は95%前後が体内でリサイクルされているとも言われ、食事から新しく補うべき量は一日1〜2mgほどで足りるとされています。

  • 胃酸を抑える薬剤の長期使用や慢性的な炎症は、鉄の吸収や利用を妨げる要因として報告されています。

  • 月経による出血やビタミンD不足も鉄の状態と関わり合い、複数の要因が重なって不足につながることが多いとされます。