徹夜明けや細切れの睡眠が続いたあとの午前中、頭がぼんやりして、いつもならすっと解ける計算や判断に時間がかかる。そんな経験は、夜勤のある人、小さな子どもを育てている人、締め切り前に無理をした人なら覚えがあるかもしれません。
2026年7月に入り、海外のメディアが「クレアチンは寝不足の脳を助けるかもしれない」という話題を相次いで取り上げました。
クレアチンといえば、筋力トレーニングの世界で知られてきた成分です。その同じ成分が、疲れた脳のエネルギーを一時的に補う可能性があるとして、あらためて注目を集めています。
もとになっているのは2024年に報告された研究で、2026年に再び光が当たった形です。今回は、その内容を研究にたどりながら確かめていきます。
記事の要点
睡眠を21時間断った状態の成人に、クレアチンを体重1キロあたり0.35グラム(およそ20〜25グラム)単回で与えたところ、数値の処理速度が24.5%、言語課題の成績が平均でおよそ30%高まったと報告されています。
効果は摂取からおよそ9時間続き、脳内のpHを保ち、ホスホクレアチンなどの高エネルギー物質を増やすことで、睡眠不足によるエネルギー切れをやわらげたと考えられています。
筋肉づくりで使われる少量を毎日続ける飲み方とは別に、寝不足のときに一度だけ多めに摂るという、脳の応急補給としての新しい使い方が示された点が、今回の話題の中心です。