軽度認知障害、いわゆるMCIは、もの忘れや認知機能の低下を自覚しながらも、日常生活の自立は大きく保たれている段階です。
認知症と健康な加齢のあいだにある時期として注目されており、ここでどのような介入が意味を持つのかは、栄養研究でも大きなテーマになっています。
今回取り上げるのは、2026年5月15日にhumanOSで紹介された、MFGM、タウリン、ビタミンB群を含むホエイプロテイン粉末の12か月ランダム化比較試験です。
原著論文はThe American Journal of Clinical Nutritionに掲載され、中国のMCI高齢者107人を対象に、1日15gの介入食品を12か月続けたときの認知機能の変化を調べています。
注目したいのは、単一成分ではなく、神経細胞膜やシナプスの健康に関わる複数の栄養素を組み合わせ、さらに12か月という比較的長い期間で見ている点です。
認知機能の栄養介入は短期間では差が出にくい領域ですが、この試験では主要評価項目であるMoCAに明確な差が報告されました。
記事の要点
- 中国のMCI高齢者107人を対象に、MFGM、タウリン、ビタミンB群を含むホエイプロテイン粉末15g/日を12か月続けたランダム化比較試験です。
- 12か月後のMoCAスコア変化は、介入群が+3.23点、プラセボ群が+1.42点で、群間差は+1.81点と報告されました。
- 今回の研究は、脳の膜脂質、シナプス機能、ホモシステイン代謝をまとめて支える複合栄養の視点を考える材料になります。