血圧のために減塩を心がけているのに、いつのまにか濃い味に戻ってしまう。しょうゆをもう一回し、味噌汁の味をもう少し濃く。そんな自分に気づいて、意志が弱いのだろうかと感じたことはないでしょうか。
ところが、続かない背景には意志とは別の理由が隠れていることがあります。味そのものを感じにくくなっているために、無意識のうちに塩を足してしまう、という仕組みです。
日本高血圧学会の公式誌に2026年、高齢の高血圧の方の減塩が続きにくい理由として、亜鉛の不足と多くの薬を併用していることが重なって味覚が鈍りやすくなる、という論考が地域医療の現場から報告されました。
今回は、この「味が薄い」と亜鉛のつながりを手がかりに、減塩を続けやすくする食事の考え方を見ていきます。
記事の要点
日本高血圧学会の公式誌ハイパーテンション・リサーチに2026年、高齢の高血圧患者で減塩が続きにくい背景に、亜鉛不足と多剤併用による味覚感受性の低下があるという論考が、日本の地域医療の現場から示されました。
味を感じ取る舌の味蕾は新陳代謝が活発な組織で、その入れ替わりに亜鉛が関わります。加齢や薬の影響、亜鉛不足が重なると味を感じにくくなり、同じ塩加減では物足りず塩を足したくなると考えられています。
対策として、牡蠣・赤身肉・豆類・種実類など亜鉛を含む食材を日々の食事に取り入れる視点が挙げられます。論考で触れられた亜鉛を含むポラプレジンは日本では医療用医薬品で、食事やサプリメントの亜鉛とは位置づけが異なります。