魚屋の店先に、あじが並び始める。初夏のあじは身がふっくらとして、刺身にも焼き魚にも向きます。梅雨に入るころにはいわしも脂がのり、手ごろな値段で食卓にのぼるようになります。季節の移り変わりとともに、おいしい魚が入れ替わっていきます。
オメガ3という言葉を聞くと、まずサプリメントのカプセルを思い浮かべる方が多いかもしれません。EPA、DHAといった成分名が、健康食品の棚でよく目に入ります。その成分のもとをたどると、行き着くのは身近な魚です。
暑くなると、食卓は肉や麺に寄りがちで、魚の出番が少しずつ減っていきます。冷やし中華やそうめんはさっぱり食べられる反面、魚を口にする機会は遠のいていく。
そんな季節だからこそ、あじやいわしを思い出してみる。オメガ3を成分として足す前に、魚を食べる回数そのものを見直すところから始めると、話がぐっと身近になります。
◼️記事の要点
オメガ3脂肪酸のうちEPAとDHAは魚介類、とくに脂ののった魚に多く含まれ、DHAは脳や網膜の細胞膜をつくる成分として知られています。
あじやいわしなどの青魚は、EPAやDHAに加えて、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンB12も一緒に運ぶ、食品としての強みを持っています。
植物性のオメガ3から体内でEPAやDHAへ変わる量はわずかなため、これらを意識するなら、焼き魚や刺身、缶詰で魚を食べる回数を増やすのが現実的です。