階段の上り下りで膝がずきりと痛む。立ち上がるときに関節がこわばる。
年齢を重ねると、変形性膝関節症による膝の痛みに悩む方は少なくありません。膝の痛みといえば、これまでは関節そのものや周りの筋肉に目が向けられてきました。
ところが、まったく別の場所である「腸」から膝の痛みにアプローチできるかもしれない、という興味深い研究が、イギリスのノッティンガム大学から報告されました。
腸内細菌のエサになるプレバイオティクスの食物繊維を毎日とると、膝の痛みがやわらぎ、筋力も改善したという予備的な内容です。
腸と関節という、一見遠く離れた二つがどうつながるのか、順に見ていきます。
記事の要点
イギリスのノッティンガム大学の研究チームが、変形性膝関節症のある成人117人を対象に、プレバイオティクスの食物繊維イヌリンを毎日とる6週間の無作為化比較試験を行い、イヌリンをとった人で膝の痛みが有意に軽くなったと報告しています。
イヌリンをとった群では握力の改善も見られ、腸内細菌がイヌリンを発酵させて生み出す短鎖脂肪酸、なかでも酪酸が、全身の炎症や痛みに関わる経路にはたらく背景にあると考えられています。
イヌリンは菊芋やチコリ、ごぼう、玉ねぎ、にんにく、バナナなど身近な食材に含まれるプレバイオティクスの食物繊維で、腸内細菌を育てる食べ方として日々の食事に取り入れられます。