残暑がやわらぎ、朝晩に秋の気配が混じり始めるころ、店先にいがぐりや皮つきの栗が並びます。ほくほくと甘い栗ごはんや、つやつやの渋皮煮。秋の到来を舌で知らせてくれる、古くから日本の食卓に親しまれてきた味覚です。
木の実というと脂っこいナッツを思い浮かべますが、栗はそれらとは少し違い、でんぷんを主体とした、やさしい甘みの実です。
そしてこの一粒には、食物繊維やカリウム、葉酸、そして加熱に強いビタミンCがぎゅっと詰まっています。さらに、つい捨てられがちな渋皮にも、見直したい成分が隠れています。
今回は、初秋の栗の栄養を、皮ごと・渋皮ごと味わう視点でひもといてみます。
記事の要点
栗はでんぷん主体の実で、食物繊維・カリウム・葉酸に加え、加熱でも残りやすいビタミンCを含みます。
ゆでると食物繊維が100gあたり6.6gまで増え、カリウムや葉酸もしっかり残ります。
捨てられがちな渋皮には、抗酸化性をもつタンニン系のポリフェノールが含まれ、渋皮ごと味わう調理が見直されています。