ベーコンやハム、ソーセージ。ワインや炭酸飲料、焼き菓子やソース。こうした食品の原材料表示を眺めると、ふだん耳にしない名前が並んでいることがあります。その多くは、食品を長持ちさせるために加えられた保存料です。
保存料は、食品が傷んだり、カビや細菌が増えたりするのを防ぐ役割を持っています。おかげで私たちは、季節や産地を問わず、さまざまな食品をいつでも手にできるようになりました。
とても便利な存在である一方で、これだけ身近になった保存料が、長い目で見て体にどう影響するのかは、これまで十分に調べられてきませんでした。
2026年5月、その空白に踏み込む研究が、欧州心臓病学会の学術誌に発表されました。
フランスで11万人以上の食生活を約8年にわたって追いかけ、保存料の摂取量と高血圧・心血管疾患の発症との関係を分析した大規模な調査です。
結果は、よく使われる保存料を多く摂る人ほど、高血圧や心血管疾患が増える傾向を示すものでした。
毎日の食事にこれだけ溶け込んでいる成分だからこそ、何がどの食品に含まれ、どう向き合えばよいのかを知っておく価値があります。
今回は、この研究が示した内容を順を追って見ていきます。
記事の要点
- フランスで11万人以上を約8年追跡した調査で、よく使われる保存料を多く摂る人ほど、高血圧や心血管疾患の発症が増える傾向が報告されました。
- 高血圧と関連づけられた保存料には、加工肉や発酵飲料、焼き菓子などに使われる身近なものが並びます。何がどの食品に多いのかが整理されています。
- 添加物として加えられたビタミンCと、果物や野菜にもともと含まれる天然のビタミンCは、健康への影響が異なるものとして扱われている点も見逃せません。