健康のために運動しましょうとは、よく耳にする言葉です。ダイエット、生活習慣病予防、体力維持。運動の目的として真っ先に浮かぶのは、こうした体の健康面ではないでしょうか。
一方で、最近の研究で注目を集めているのが、運動が脳や心の健康に与える影響です。
うつ病、認知症、精神病といった、現代社会で増え続けている脳とメンタルの不調に対して、運動が予防的な働きを持つことが、大規模なデータで次々と明らかになってきました。
日本では、うつ病で医療機関にかかる方が年々増え、認知症を抱える方も2025年には約700万人に達すると推計されています。
特にコロナ禍以降、在宅時間が増えて運動量が減ったことで、心身の不調を感じる方も少なくありません。仕事や家事に追われ、運動の時間が取れないという声もよく聞かれます。
そんな現代の日本にこそ届けたいのが、今回ご紹介する研究と、そこから導き出される一つのシンプルな結論です。
東京・広尾の満尾クリニック・満尾正医師がブログで取り上げた、世界約400万人を対象にした大規模メタ解析の結果と、運動が脳の薬として働く仕組みを、詳しく見ていきましょう。
記事の要点
- 世界9カ国、約400万人を対象にした大規模解析で、心肺機能が高い人ほどうつ病、認知症、精神病のリスクが明確に低いことが確認されました。
- うつ病リスクは約36パーセント、認知症リスクは約39パーセント、精神病リスクは約29パーセント低下するという具体的な数値が示されています。
- ウォーキングなど無理のない運動でも、体力がわずかに上がるだけで脳とメンタルを守る効果が期待でき、1日10分からでも始める価値があります。