食事を終えて、そのままソファに座るか、それとも少し歩くか。たいていは気分や時間のあるなしで決まる、ささやかな分かれ道です。
食後の散歩が血糖の上がり方をゆるやかにする、という話はこれまでにも知られてきました。けれど、毎回の食事で同じように歩くだけの値打ちがあるのかと問われると、はっきりとは答えにくいところがあります。
2026年6月、イスラエルの大規模研究プロジェクト「Human Phenotype Project(HPP)」のチームが、その問いに数字で踏み込んだプレプリント(査読前に公開された論文)を公表しました。
糖尿病ではない成人1,627人の、実に55,949回ぶんの食事を、食事記録・持続血糖測定(CGM)・歩数計のデータでひとつにつなぎ、食後に歩いた量と血糖の動きを丁寧に並べています。
見えてきたのは、食後の歩行はやはり血糖の上昇を抑えること、そしてその効き目が食事ごとに大きく違うという事実でした。
では、どの食事の後に歩くと、いちばん報われるのか。研究の中身をたどってみます。
◼️記事の要点
糖尿病でない成人1,627人・55,949回の食事を解析した研究で、食後に751歩(およそ10分の歩行)以上動くと、血糖の上昇が目立って抑えられたと報告されています。
歩数が多いほど抑制は大きく、対数歩数が1標準偏差増えるごとに食後血糖の指標が53.0 mg/dL・分下がるという、はっきりした用量反応が示されました。
効き目は食事ごとに異なり、最も歩く価値の高い上位2割の食事では下位2割の約5倍。歩く前から効果の大きい食事を予測できると書かれています。