エリンギは、炒め物や焼き物に使いやすい、身近なきのこのひとつです。
そのエリンギが、脳の炎症に関わる細胞の反応をやわらげる可能性があるとして、新しい研究が報告されました。
2026年5月8日、Nutrientsに掲載された研究では、エリンギ(Pleurotus eryngii)の抽出物と、そこに含まれる生理活性成分であるエルゴチオネイン、N-アセチルトリプタミンが、ミクログリアと呼ばれる脳内免疫細胞の炎症反応にどのような影響を与えるかが調べられています。
注目したいのは、炎症のスイッチとしてよく知られるNLRP3インフラマソームです。
NLRP3は、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、加齢に伴う認知機能低下などの研究で、脳内炎症と結びつけて議論されてきた経路です。
今回の研究は細胞実験ですが、日常的な食品に含まれる成分が、この経路に触れている点が興味深いところです。
記事の要点
- エリンギ抽出物、エルゴチオネイン、N-アセチルトリプタミンを、LPSで炎症刺激を受けるHAPIミクログリア細胞に前処理し、炎症マーカーへの影響を調べた研究です。
- すべての抽出物と生理活性分子は、ブルーベリー抽出物と同じ方向で亜硝酸塩産生を低下させ、特にN-アセチルトリプタミンを多く含む抽出物と純粋なNATが強い反応を示しました。
- 結果は、エリンギを「脳を支える食品」として見る新しい手がかりになります。日本やシンガポールの観察研究で示されてきた、きのこ摂取と認知機能の関係にもつながる話です。