ビタミンC=抗酸化物質というイメージは、多くの方にとってなじみ深いものだと思います。体のサビ(酸化)を防ぐ、いわば消火器のような存在。学校の保健の授業から、サプリメントの広告まで、ビタミンCはずっとそう説明されてきました。
ところが2026年4月、その常識をひっくり返すような研究が、医学誌『Cell Metabolism』に発表されました。
研究チームが、カニクイザルに40ヶ月にわたってビタミンCを与え続けたところ、体のあちこちで生物学的な年齢が数年分も若返ったというのです。
しかもその働きは、フリーラジカルを手当たり次第に消す抗酸化作用ではなく、「ACSL4」というたった一つの酵素を狙って止める、という精密なものでした。
ビタミンCは、本当はどんな顔を持っているのか。今回は、この研究が描き出した新しい姿を見ていきます。
◼️記事の要点
ビタミンCが、加齢にともなう鉄の蓄積が老化を進める「フェロエイジング」という現象を、酵素ACSL4を直接止めることで抑える可能性が報告されました。
カニクイザルに40ヶ月ビタミンCを与えた試験では、前頭葉や骨格筋などで生物学的な年齢が数年分若返り、脳や代謝の働きにも改善が見られました。
ヒトでの推定有効量は1日およそ700mgとされ、果物や野菜から無理なく届く範囲です。運動の直後を避けるなど、摂るタイミングも一つの手がかりになります。