糖尿病とともに暮らすなかで、気がかりな合併症の一つが目のトラブルです。糖尿病網膜症は、網膜の細い血管がダメージを受けて視力に影響する合併症で、進行すると日常生活にも関わってきます。
この網膜症と、ある身近なミネラルとの関連を示す研究が、あらためて注目を集めています。そのミネラルとは、マグネシウムです。
マグネシウムは細胞内の陽イオンとして、代謝やインスリンのシグナル伝達において重要な役割を果たしています。
これまでも、マグネシウム値と糖尿病網膜症の関連を示すエビデンスはありましたが、個々の研究の規模が小さいことから、はっきりとした結論が得られにくい状況でした。
そこで、最新のエビデンスを統合して整理することを目的に行われたのが、今回ご紹介する系統的レビューおよびメタ解析です。学術誌ニュートリエンツに2026年に掲載されました。
糖尿病と向き合う方にとって、栄養という切り口からできることを考える手がかりになりそうです。
記事の要点
- 17の研究を統合したメタ解析で、糖尿病網膜症のある2型糖尿病患者のマグネシウム値は、網膜症のない対照群と比べて有意に低かったと報告されています(標準化平均差 -1.19)。
- 網膜症が進行した増殖糖尿病網膜症(PDR)の患者では、より初期段階の非増殖糖尿病網膜症(NPDR)の患者よりも、マグネシウム値がさらに有意に低い傾向が示されました。
- 研究チームは、低マグネシウム血症と網膜症の発症に潜在的な関連があるとして、臨床の場で2型糖尿病患者のマグネシウム値を確認し、調整することを検討してもよいと結論づけています。