ビタミンB12は、赤血球の生成や神経の保護、DNAの合成など、体のあらゆる機能に関わる重要な栄養素です。
肉や魚、卵、乳製品といった動物性食品から摂取されるこのビタミンは、不足すると貧血や神経障害、認知機能の低下など、さまざまな健康問題を引き起こすことが知られています。
近年、世界的に植物ベースの食事が広がりを見せる中、ビタミンB12の欠乏が深刻な問題として浮上しています。
日本でも健康志向やエシカル消費の流れから、菜食やヴィーガン食を取り入れる人が増えていますが、ビタミンB12の摂取が十分かどうか意識している人は決して多くありません。
加えて、高齢化が進む日本では、加齢に伴う吸収能力の低下も見過ごせない要因です。
今回紹介するのは、ブラジルの大規模な人口ベースの研究で、ビタミンB12欠乏が入院リスクや死亡リスクとどのように関連しているかを明らかにした注目の研究です。
記事の要点
- 世界人口の約39%(約30億人)がビタミンB12不足の状態にあり、植物ベースの食事の普及、加齢、薬剤の影響などが主な原因となっている。
- ビタミンB12が欠乏すると入院リスクが32%上昇し、心血管疾患、血液疾患、腸疾患、神経・精神疾患との関連が確認された。
- B12欠乏は他のBビタミン(B1、B6)の欠乏と併発しやすく、複合的な健康被害をもたらすため、保健当局による早急な対策が求められている。