サフランといえば、パエリアやブイヤベースを黄金色に染める、世界でもっとも高価とされるスパイスです。近年は、気分の落ち込みや睡眠との関わりから健康の話題にのぼることも増えてきました。
花のめしべを乾かしただけの、あの赤い糸のような素材が持つ働きは、料理の色づけにとどまらないと語られてきました。
その関心の先が、いま目へと広がっています。パソコンやスマートフォンを長く見る毎日、年齢とともに気になってくる見え方。目の健康に食からできることはあるのか、という問いは、多くの人が抱くものです。
2026年、統合医療の学術誌 Journal of Evidence-Based Integrative Medicine に、サフランと目の健康に関する臨床研究を体系的にまとめた系統的レビューが掲載されました。サフランと、その主要な色素成分であるクロシン・クロセチンが、目にどう関わるのかを整理した報告です。
記事の要点
529件の文献から選ばれた10件の臨床試験を統合した系統的レビューで、サフランやその色素成分が、視力・網膜の電気生理・眼圧・黄斑の厚みといった目の指標に関わることが整理されました。
使われた量はサフラン1日20〜50mg、クロシン5〜15mg、クロセチン7.5mgで、期間は6週間から12か月。加齢黄斑変性や緑内障など複数の目の状態が対象になっています。
著者は「一貫した有効性と極めて良好な安全性」「用量依存の効果」があり、眼科での補助的な選択肢として有望と述べる一方、確定には大規模な試験が必要だとしています。