朝のコーヒーを飲むと、なんとなく気持ちが落ち着く。集中できる感じがする。頭のモヤが晴れる気がする。そんな感覚を持っている方は多いのではないでしょうか。
これまでその理由はほとんどカフェインの覚醒作用として説明されてきましたが、コーヒーが体に働きかけるルートは、それだけではないかもしれません。
2026年5月、アイルランド国立大学コーク校(University College Cork)のAPC Microbiome Ireland研究チームが、Nature Communications誌にひとつの研究を発表しました。
コーヒーを日常的に飲む人と飲まない人の腸内細菌叢を比較したところ、コーヒー習慣が腸内の微生物環境を変化させており、その変化がストレスや気分、記憶の働きとも関連していることが報告されました。
重要なのは、カフェインを除去したデカフェでも、一定の変化が観察されたことです。これはカフェインだけでなく、コーヒーに含まれるポリフェノールやクロロゲン酸などの成分が腸内細菌に作用している可能性を示唆しています。
腸と脳をつなぐ腸脳軸(gut-brain axis)を通じたコーヒーの働きを整理するうえで、参照価値のある研究として注目されています。
記事の要点
- コーヒーを日常的に飲む習慣が腸内細菌の構成を変える可能性が示されました。カフェインだけでは説明しきれない、腸脳軸を介した経路が浮かび上がっています。
- カフェイン入りとデカフェでは、腸内細菌や精神機能への影響パターンが異なることが観察されています。それぞれの作用をどう整理するかを考える材料が得られます。
- Eggertella属やCryptobacterium curtumなど特定の細菌の増加が観察されており、腸内環境の変化とメンタルヘルスのつながりを具体的に考える手がかりになります。