最新|ロングCOVIDと慢性疲労に共通するノルアドレナリン欠乏 : 脳の燃料を支える栄養素という視点

最新|ロングCOVIDと慢性疲労に共通するノルアドレナリン欠乏 : 脳の燃料を支える栄養素という視点

感染症のあとに長く続く強い疲労、集中力の低下、軽い活動でも体調が大きく崩れる労作後倦怠感。

こうした症状が特徴の感染後筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群、いわゆるPI-ME/CFSと、新型コロナウイルス感染後に残る後遺症であるロングCOVIDについて、ようやく脳内の生化学的な手がかりが見えてきたという報告が出ています。

米国国立衛生研究所のチームが2026年にBrain Communications誌に発表した研究で、両疾患の患者さんに、ノルアドレナリン経路の活性低下という共通の特徴があることが示されました。

ノルアドレナリンは、エネルギー、集中力、覚醒、身体的な持久力に深く関わる脳内の神経伝達物質です。

栄養という観点から見ると、ノルアドレナリンの合成には複数の栄養素が密接に関わっているため、日々の食事やサプリメントによる土台作りもあらためて見直したいテーマです。

記事の要点

  • NIHの研究グループは、PI-ME/CFSとロングCOVIDの患者さんの脳脊髄液を調べ、ノルアドレナリン経路の活性が健常者より低下していることを明らかにしました。ドーパミン経路には差がなく、ノルアドレナリンに特異的な変化と報告されています。
  • ノルアドレナリン経路の活性は、握力の持久時間や全体的な健康感と正の相関を示し、疲労の重さとは逆の相関を示しました。脳内ノルアドレナリンが低いほど、身体の踏ん張りが効きにくく疲労感が強くなる関係が浮かび上がっています。
  • ノルアドレナリンの合成には、前駆体となるアミノ酸チロシン、補因子となるビタミンC、B6、銅、鉄、葉酸、SAMeといった栄養素が連鎖的に関わっています。これらの土台を整える視点が、研究の知見を日常に落とし込むうえで重要になります。