新しいスマートフォンの操作方法、引っ越し先までの新しい道順、変更されたルール。これまでのやり方を切り替えて新しいパターンに慣れるまで、年を重ねるにつれて少し時間がかかるようになった、と感じたことはないでしょうか。
老化したマウスを使ったある研究が、この「切り替えの遅さ」の背後にある体の仕組みを詳しく調べたところ、これまで有力視されてきた犯人像とは違う結果が見つかったと報告されています。学術誌Aging Cellに発表されたこの研究を見ていきます。
記事の要点
老化マウスを使った研究で、加齢に伴う「新しいルールへの適応力」の低下が、神経細胞の樹状突起の縮小とは相関していなかったと報告されました。
代わりに唯一相関していたのは、シナプス前と呼ばれる部分にあるミトコンドリアタンパク質の量の増加でした。
ミトコンドリアを標的にした抗酸化物質MitoQを20週間投与すると、新しいルールへの適応課題で、投与群がより速く順応できたことが確認されています。