アルツハイマー病は、日本を含む世界中で深刻な社会問題となっています。
脳の神経細胞が徐々に死滅し、記憶力や判断力が失われていくこの病気の原因のひとつとして、脳内に「ゴミ」のように異常なタンパク質が蓄積することが知られています。
その代表が、アミロイドβの凝集と、タウタンパク質の異常な変化です。
日本は世界でも最も高齢化が進んだ国のひとつであり、認知症患者の数は増え続けています。新しい治療薬の開発は進んでいるものの、臨床で十分な成果を上げられていないのが現状です。
そんな中、スペインと日本の共同研究チームが、日本原産の本わさびに含まれる成分「ヘキサラファン」が、脳内の異常なタウタンパク質を減少させる新しいメカニズムを発見したという注目の研究結果を発表しました。
記事の要点
- 本わさびに含まれる成分「ヘキサラファン」が、これまで知られていた細胞保護システムとは別のメカニズムで、脳内の異常なタウタンパク質を減少させることが判明した。
- その仕組みは、タウからリン酸を取り除く酵素「タンパク質ホスファターゼ2A(PP2A)」を活性化させ、タウを正常な状態に戻すというもの。
- マウス実験では5週間の投与で脳内の病的タウの蓄積が減少し、記憶力や運動機能の改善、さらに血液中の異常タウ(TAU-pThr217)濃度の低下が確認された。