現在、日本では超高齢社会の進展とともに「健康寿命」の延伸が喫緊の課題となっています。特に、自覚症状のないまま体内で進行し、糖尿病や動脈硬化、さらには認知症の引き金となる慢性炎症への対策が重要視されています。
厚生労働省が推進する「健康日本21」でも、食物繊維の摂取量増加や生活習慣病予防が重点目標に掲げられていますが、日本人の多くは依然として目標値に届いていないのが現状です。
これまで抗炎症の代名詞といえば魚油に含まれるオメガ3脂肪酸でしたが、最新の研究により、発酵飲料である「ケフィア」と「多様な食物繊維」を組み合わせることで、サプリメントを凌駕する劇的な抗炎症効果が得られることが明らかになりました。
【論文タイトル】
発酵ケフィアと食物繊維のシンバイオティクスが健康な成人の宿主プロテオームを変化させ、炎症性タンパク質を減少させる:ランダム化比較試験)
記事の要点
- ケフィア(プロバイオティクス)と多様な食物繊維(プレバイオティクス)の併用は、単一の成分摂取よりも広範な抗炎症作用を示す。
- この組み合わせは、古くから抗炎症効果が認められてきたオメガ3脂肪酸サプリメントよりも、多くの種類の炎症性タンパク質を抑制した。
- 腸内細菌が食物繊維を分解して生成する「酪酸」などの短鎖脂肪酸が、全身の免疫バランスを整える鍵となっている。
- 炎症抑制に加え、総コレステロールや悪玉(LDL)コレステロールの低下といった代謝面の改善効果も確認された。