私たちの体には、実年齢とは別に「生物学的年齢」というものがあります。同じ70歳でも、細胞レベルでは60歳のように若い人もいれば、80歳のように老化が進んでいる人もいます。
最近の研究では、この生物学的年齢を「エピジェネティッククロック」というDNAの変化を読み取る指標で測定できるようになりました。
日本では、高齢化が世界で最も進んでおり、健康寿命の延伸は国をあげての重要課題です。
厚生労働省も「健康日本21」の中で予防的な健康管理の重要性を掲げていますが、日常的な栄養補給が老化そのものにどう影響するかについては、まだ十分な科学的根拠が示されていませんでした。
そんな中、Nature Medicine誌に発表された大規模臨床試験の結果が注目を集めています。
ハーバード大学医学部と複数の研究機関の共同チームが、毎日のマルチビタミン摂取が生物学的な老化を約4か月分遅らせる可能性があることを明らかにしました。
記事の要点
- 958名の高齢者を対象にした2年間の大規模無作為化比較試験(COSMOS試験)で、毎日のマルチビタミン摂取がDNAメチル化で測定される生物学的老化を約4か月分遅らせることが確認された。
- 特に、試験開始時に生物学的年齢が実年齢より高かった人(老化が加速していた人)ほど、マルチビタミンの恩恵が大きかった。
- 一方、ココアエキス(フラバノール500mg/日)については、5つのエピジェネティッククロックいずれにも有意な効果は認められなかった。