クレアチンといえば、ジムでトレーニングをする人が飲むもの。長らくそんな印象を持たれてきた成分です。筋肉にエネルギーを素早く供給する働きから、運動と組み合わせてこそ意味がある、と考えられてきました。
けれど、年齢を重ねるにつれて気になってくるのは、必ずしも競技の記録ではありません。以前より疲れやすい、階段で足が重い、人の名前がとっさに出てこない。運動する時間はなかなか取れない。
そんな中高年にとって、運動しないと効かないなら関係ないと横に置いてきた人も多いはずです。
2026年8月11日、国際スポーツ栄養学会の学術誌 Journal of the International Society of Sports Nutrition に、その前提を問い直す論文が掲載されました。運動をしない中高年でも、クレアチンが筋肉や健康の指標に働いたかを、12週間かけて調べた報告です。
記事の要点
健康で座位中心の45〜65歳を対象に、運動なしの群と運動+減量食の群に分け、それぞれで1日10g(2×5g)のクレアチンかプラセボにランダムに割り付け、64人が12週間を完遂しました。
運動をしなかった群でも、除脂肪量(筋肉などの量)・筋力・筋持久力が増え、血中脂質やHbA1c、記憶を含む一部の認知の指標が良い方向へ動いたと報告されています。
運動と減量食を併せた群では、これに加えて体脂肪率の低下が上乗せされました。忍容性は良好で、認知やバイオマーカーの所見は著者が探索的と位置づけています。