質のいいエクストラバージンオリーブオイルを、スプーンでそのまま口に含んだことはあるでしょうか。
青い草のような香りが広がったあと、少し遅れて喉の奥にヒリッとした刺激が走ります。初めてだとむせてしまう人もいて、油が古くなったのではと心配される方もいます。
けれど、あの刺激こそが良いオリーブオイルの目印だと言われています。正体はオレオカンタールというポリフェノールです。
2005年、アメリカのモネル化学感覚研究所の研究者が、この成分が喉に与える刺激は鎮痛薬イブプロフェンのそれとそっくりだと気づき、実際に似た抗炎症の働きを持つことを科学誌『Nature』に報告しました。それ以来、オレオカンタールは世界中の研究室で調べられ続けています。
そのオレオカンタールについて、2026年8月、アメリカの研究チームが目を引く報告を出しました。大腸がんを移植したマウスに口から飲ませたところ、腫瘍がほとんど残らなかったというのです。しかも効き目の一部は、腸内細菌を経由して運ばれていました。
記事の要点
大腸がんを移植したマウスにオリーブオイルの成分オレオカンタールを毎日飲ませたところ、原発腫瘍の重量が雄で97.6%、雌で99.1%減ったと報告されました。
腹腔内への注射(雄64.5%、雌69.9%の抑制)より口から飲ませたほうが効き、肝臓や肺などへの転移も雌ではほとんど見つかりませんでした。
オレオカンタールを与えた健康なマウスの腸内細菌を便ごと移植すると、それだけで腫瘍重量が99%以上減り、効き目に腸内細菌が関わることが示されました。