最新|過食症・解離・フラッシュバックに「亜鉛+L-カルノシン」が効く可能性:日本発の最新研究が示す新たな希望

最新|過食症・解離・フラッシュバックに「亜鉛+L-カルノシン」が効く可能性:日本発の最新研究が示す新たな希望

精神科の領域では、治療が難しいとされる病気がいまだ多く残っています。

過食症、解離性同一性障害(俗にいう多重人格)、口の中が慢性的に燃えるように痛む口腔灼熱症候群、こうした疾患は、適切な薬物療法や治療指針が確立されていないことも多く、患者さんや家族が長期にわたって苦しみ続けるケースも少なくありません。

一方で、栄養と精神の健康の関係は、近年ますます注目を集めています。特に亜鉛は、脳内の神経伝達物質の調整やシナプスの可塑性、神経の新生に欠かせないミネラルであり、その不足が精神疾患と関連するという研究が世界中で蓄積されてきました。

日本でも、胃潰瘍の治療薬として長年使われてきたポラプレジンク(亜鉛とL-カルノシンの複合体)が、精神科領域への応用可能性として注目されはじめています。

埼玉の精神科医・榮健作医師らのチームが、この組み合わせの精神科治療における可能性を包括的にまとめた論文を2026年に発表しました。今回はその内容を詳しくご紹介します。

論文タイトル

亜鉛とL-カルノシンの組み合わせが精神科領域にもたらす広域的な治療可能性

著者:榮健作、須賀万智、柳澤裕之(慶誠会八潮病院・慈恵医大)

掲載誌:Metallomics Research 2026年 第6巻第1号

記事の要点

  • 亜鉛とL-カルノシンは、抗酸化・抗炎症・神経保護・神経伝達物質の調整など多面的なメカニズムで相乗的に働き、亜鉛単独よりも高い生体内利用率と治療効果をもたらす可能性がある。
  • 過食性障害・神経性過食症・解離性同一性障害・口腔灼熱症候群に対するポラプレジンク(亜鉛+L-カルノシン複合体)の補助療法で、いずれも症状の顕著な改善が報告された。
  • 現時点での証拠は予備的なものに留まるが、天然由来で安全性プロフィールが良好なことから、今後の大規模ランダム化比較試験(RCT)が強く推奨される。