骨は、一度できあがったら一生そのまま、というイメージを持たれがちです。けれども実際には、毎日少しずつ古い部分が壊され、新しい部分が作られて、絶えず作り替えられています。
骨を作る細胞と、骨を壊す細胞。この二つの働きがつり合っているあいだ、骨はその強さを保っています。
そのバランスに、ビタミンKがこれまでとはちがうかたちでかかわっているらしい。そんな報告が2026年4月、骨の専門誌に発表されました。しかも内容は少し意外で、骨芽細胞でのビタミンKの働きを止めたマウスで、骨がむしろ増えていた、というのです。
骨にいいと語られてきたビタミンKをめぐる、一見ちぐはぐな結果。これをどう読めばよいのか、今回はこの研究を手がかりに、骨が作り替えられるしくみをたどってみます。
◼️記事の要点
骨は、骨芽細胞が作り、破骨細胞が壊すことで一生作り替えられています。今回の研究は、骨を作る側の細胞が、壊す側の細胞の成熟まで指揮していることを示しました。
その指揮役がGAS6というタンパク質で、ビタミンKによって活性化されます。骨芽細胞でこの働きを止めたマウスでは、骨量が増え、骨を壊す動きが減っていました。
ビタミンKは骨の形成を助けるだけでなく、形成と吸収のバランスを調整するしくみにも関わっていました。骨の健康を多面的に捉え直す手がかりとなる発見です。