よく眠れたと感じる朝と、十分な時間寝たはずなのに体が重い朝。その違いがどこから来るのか、気になったことのある人は多いのではないでしょうか。睡眠の質は単なる睡眠時間の長さだけでは決まらず、どれだけ深く、途切れなく眠れたかという主観的な実感が大きく関わっています。
日本では、睡眠負債という言葉が広く知られるようになり、睡眠の質への関心は年々高まっています。睡眠トラッカーやウェアラブルデバイスを活用する人も増えましたが、睡眠時間やステージのデータは正常なのに、なぜかすっきりしないという悩みを抱える人も少なくありません。
そうした中、イタリアのIMT高等研究所ルッカ校の研究チームが、興味深い研究結果を発表しました。「鮮明で没入感のある夢」が、実は睡眠をより深く、より回復力のあるものにしている可能性があるというのです。この研究は学術誌『PLOS Biology』に掲載されました。
記事の要点
- 鮮明で没入感のある夢を見た後ほど、人は「深く眠れた」と感じることが44名・1,000回以上の覚醒データから確認された。
- 体の生理的な睡眠欲求が低下する明け方にかけても、夢が没入的になることで「深い睡眠感」が維持されていた。
- 夢は睡眠の単なる副産物ではなく、脳活動の変動を緩衝して睡眠の質を守る「番人」のような役割を果たしている可能性がある。