最新|抗菌薬はDNA損傷を起こしうる:6系統を整理した2026年レビュー

最新|抗菌薬はDNA損傷を起こしうる:6系統を整理した2026年レビュー

抗菌薬は、細菌による感染症から多くの命を救ってきた重要な薬です。

その作用は細菌のDNA複製やタンパク質合成、細胞壁づくりなどを妨げることで発揮されます。

一方で、その標的が人の細胞やミトコンドリアのしくみと部分的に重なる場合、薬の種類や濃度、使用期間によっては、宿主側の細胞にも酸化ストレスやDNA損傷が生じうることが研究されてきました。

2026年8月、『International Journal of Molecular Sciences』に発表されたナラティブレビューは、よく使われる抗菌薬6系統について、DNA損傷が起こる分子経路と、染色体・細胞で観察された指標をまとめました。

研究の多くは細胞や動物を用いたもので、通常の治療を受けた人でどの程度の影響が生じるかは、これから確かめる段階です。

それでも、抗菌薬の安全性を耐性菌だけでなく、宿主細胞のゲノムという面から考える重要な整理になっています。

記事の要点

  • レビューはフルオロキノロン、ニトロイミダゾール、アミノグリコシド、マクロライド、βラクタム、テトラサイクリンの6系統を対象にしました。

  • DNA損傷につながる主な経路は、トポイソメラーゼへの干渉、ミトコンドリア機能低下と活性酸素の増加、腸内細菌叢の変化を介した炎症です。

  • 証拠の多くは細胞・動物実験や高濃度曝露によるもので、必要な抗菌薬治療を避ける結論ではなく、薬剤ごとの監視と適正使用を精密にする提案です。