正座のあとのようなしびれが、立ち上がってもなかなか引かない。足の裏がジンジンする、指先の感覚が鈍い、夜になると足がつる。そうした感覚の変化を、疲れや年齢のせいとして受け流している方は少なくないと思います。
こうした症状の背景にあるのが、末梢神経の障害、いわゆる神経障害(ニューロパチー)です。世界的にも大きな健康問題とされていて、とくに糖尿病にともなう神経障害は、足の潰瘍から壊疽へ進み、重い場合には足指や足、脚の切断につながることがあります。
原因としてよく挙げられるのは、偏った食習慣、多量の飲酒、糖尿病などの代謝の乱れ、そして感染症や自己免疫の反応、抗がん剤をはじめとする薬剤の影響です。ここに、体の栄養状態そのものが深く関わってきます。
2026年に学術誌『Current Nutrition Reports』へ掲載されたレビュー論文は、神経系に欠かせないとされる四つのビタミンB群を取り上げ、神経障害との関係をあらためて調べました。浮かび上がったのは、そのうちの二つでした。
記事の要点
B1・B6・B12・B9(葉酸)の四つを神経障害との関係で検討したレビューで、はっきりした結びつきが認められたのはB1とB12の不足でした。B6と葉酸との関係は、それほど明確ではなかったと報告されています。
B1は神経細胞のエネルギー代謝と神経伝達物質の働きを支え、B12は神経を包むミエリン鞘の材料となり、神経を傷つけうるホモシステインの分解にも関わります。
世界人口の約30%がB1を、約39%がB12を必要量まで摂れていないと見積もられており、超加工食品、多量の飲酒、高血糖、そして一部の薬剤が背景として挙げられています。