だるさが抜けない、寒さにめっぽう弱くなった、体重が落ちにくい。
はっきりした病気とまでは言えなくても、こうした不調が続くと、甲状腺のはたらきが気になることがあります。喉のあたりにある小さな臓器ですが、全身の代謝の速さを左右する大切な器官です。
その甲状腺と、近年あらためて結びつけて語られるようになったのがビタミンDです。
日光や食事から得られ、骨だけでなく免疫の調整にも関わる栄養素として知られています。日本では、屋内中心の生活や日照の少ない季節の影響で、ビタミンDが足りていない人が多いと報告されてきました。
そして2026年、ビタミンDと甲状腺機能低下症の関係を整理した新しいメタ解析が、学術誌『Nutrition & Metabolism』に発表されました。
ランダム化比較試験(RCT)5本と観察研究11本、あわせて4,152人分のデータをまとめたこの研究は、ビタミンDの補充が甲状腺の検査値にどう関わるのかを、これまでより大きな視野で描き出しています。
今回は、その内容をたどりながら、ビタミンDと甲状腺のつながりを整理していきます。
◼️記事の要点
2026年のメタ解析で、ビタミンDの補充が甲状腺刺激ホルモン(TSH)と甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)を有意に低下させたと報告されました。
ビタミンDが不足している人ほど甲状腺機能低下症がみられやすいという関連も示され、その差はおよそ4倍(オッズ比4.06)にのぼりました。
甲状腺の値が気になる人にとって、ビタミンDの状態を定期的に確かめておく意味が大きいと、著者らは結論づけています。