近年、日本の子どもたちの食生活において、亜鉛不足が潜在的な健康リスクとして注目されています。亜鉛は成長や免疫機能、創傷治癒など、子どもの発達に欠かせない微量元素ですが、日本人の食事は米やパンなどの穀類を主体とする傾向があり、これらには亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸が多く含まれています。
一方で、亜鉛を豊富に含む動物性タンパク質の摂取が相対的に少ない場合、亜鉛欠乏のリスクが高まることが懸念されています。
しかし、日本の健康な子どもたちにおける亜鉛レベルの実態についての研究は限られており、グローバル基準が日本の子どもたちに適用できるかどうかは明確ではありませんでした。
今回、日本の研究チームが健康な子どもたちを対象に血清亜鉛レベルの大規模な調査を実施し、驚くべき結果が明らかになりました。
◼️論文タイトル
10歳未満の健康な日本人小児における血清亜鉛レベルの分析

記事の要点
- 日本の健康な10歳未満の子ども187名を対象に血清亜鉛レベルを調査した結果、約75%が亜鉛低下症の基準(80 μg/dL未満)に該当することが判明した
- 血清亜鉛レベルの中央値は74.0 μg/dLで、低年齢、低アルブミン血症、昼食後の採血が亜鉛低下症のリスク因子として特定された
- 穀類中心の食生活が亜鉛吸収を阻害し、動物性タンパク質の摂取不足が亜鉛欠乏リスクを高める可能性が示唆され、特に若年児への亜鉛スクリーニングと補給の検討が推奨される