嚢胞性線維症では、肺の感染症をどう防ぐかが大きな課題になります。
原因となる遺伝子や気道の粘液の問題はよく知られていますが、今回、オーストラリア・クイーンズランド大学を中心とする研究チームは、免疫細胞そのものの働きにも重要な弱点が残っていることを報告しました。
注目されたのは、マクロファージという白血球です。体内に入ってきた細菌を見つけ、取り込み、分解する細胞で、肺の感染防御でも中心的な役割を担います。
研究チームは、嚢胞性線維症の人のマクロファージでは、細菌を認識して処理する過程に複数の不具合があり、現在の有効な治療薬を使っていても、特定の感染に対する防御が十分に回復しない可能性を示しました。
記事の要点
- 嚢胞性線維症のマクロファージでは、細菌を取り込み、殺菌するための仕組みに複数の弱点が見られました。とくに塩素イオン輸送、亜鉛輸送、ミトコンドリア機能が感染防御に関わる点が示されています。
- 研究では、問題となる細菌としてMycobacterium abscessusが取り上げられました。この菌は抗菌薬が効きにくく、嚢胞性線維症の肺感染で大きな課題になるため、免疫細胞側の理解が重要になります。
- 現在の嚢胞性線維症治療薬は肺機能改善に大きな意味を持ちますが、今回の結果ではマクロファージの殺菌能までは十分に補えない可能性が示され、別の免疫支援戦略が研究課題として浮かびました。