「運動もしているし、食事にも気を付けている。それなのに、なぜか階段の上り下りがつらくなったり、瓶のふたが開けにくくなったりする」。中高年になると、そんな感覚を覚える方は少なくありません。
筋肉が落ちる理由というと、運動不足や加齢による自然な変化がまず思い浮かびます。
ところが、体の中で静かに進むもうひとつの現象が、筋肉の量や体の動かしやすさに関わっているかもしれない、という報告が日本の研究から出てきました。その名は「糖化」です。
甘いものの摂り過ぎの話だと思われがちですが、実際には体の中のタンパク質が変性していく、もっと広い現象を指す言葉です。
今回は、東京都健康長寿医療センター研究所が板橋区の高齢者を対象に行った研究をもとに、運動や食事と並んで見過ごされがちな、糖化と筋肉の関係を見ていきます。
記事の要点
東京都健康長寿医療センター研究所が板橋区の高齢者424人を調べたところ、血液中の糖化最終産物ペントシジンの濃度が高い人ほど、筋肉量や身体機能の指標が低いという関連が示されました。
この関連は握力や歩く速さそのものとは直接結び付かなかった一方、筋肉量や体力を総合的にみる指標では確認されています。
糖化は焼く・揚げるなど高温での調理で進みやすいとされ、調理法や食べ方を見直すことが、筋肉を守るための選択肢のひとつとして注目されています。